知る ~日本酒編~

1 香りの高いタイプ

このタイプは吟醸酒が代表格で、生酒、本醸造酒にも一部該当するものがあります。色調は淡く、果実や花様の上立ち香が高く、軽快で爽やかな味です。香気成分を多く含み、老(ヒ)ね香(カ)成分やアミノ酸が少ないのが特長です。

2 軽快でなめらかなタイプ

このタイプは生酒が代表的です。本醸造酒、純米酒にも該当するものがあります。 色調は淡く、上立ち香は控えられていますが、新鮮で軽快な含み香と、なめらかでみずみずしい味が特長です。香気成分は中程度ですが、リンゴ酸などの有機物を多く含み、アミノ酸、老ね香成分は微小です。

3 コクのあるタイプ

このタイプは純米酒が代表的です。本醸造酒にも該当するものがあります。 色調はやや濃く、落ちついた香りとやや重厚な、ほどよい苦みを持っています。乳酸等の有機酸を多く含み、老ね香成分のやや高いものがあります。

4 熟成タイプ

このタイプは古酒が代表的です。一部純米酒にも該当するものがあります。 色調は濃く、シェリーのような香気を持ち、重厚で、ほど良い苦味と後味の良さが特長です。老ね香成分、有機酸、アミノ酸を多く含みます。
※古酒=長期間熟成させたお酒

 

 

五千を越える日本酒の銘柄の中から、あれこれと選んで飲み比べてみる、日本酒ならではの楽しみです。でも実際は、「なにをどう選んだらよいのかわからない」というのが、実状でしょう。

日本酒は、かつては特級、一級、二級という級別制度がありましたが、今はその製造方法や原材料によって分類する「清酒の製法品質表示基準」による特定名称酒と、広く一般に愛飲されている日本酒があります。

おいしいお酒に出会うためにも、まず、その種類と特長をご紹介します。

 

1 吟醸酒

精米60%以下の白米と米こうじ及び水、またはこれらと醸造アルコールを原料として造ったお酒で、固有の香味及び色沢が良好なものです。

2 純米酒

精米歩合70%以下の白米と米こうじ及び水だけを原料として造ったお酒で、香味及び色沢が良好なものです。

3 本醸造酒

精米歩合70%以下の白米、米こうじ、醸造アルコール及び水を原料として作ったお酒で、香味及び色沢が良好なものです。

 

これら特定名称酒は、次の項目「清酒の製法品質表示基準」にあるように、 原料米、製造方法などの諸条件によって、さらに8種類に分類されます。

この他に日本酒は製造上の特長から、(1)生酒 (2)生貯蔵酒 (3)樽酒などがあります。

1 生酒 製成後、一切加熱処理をしないお酒

2 生貯蔵酒 製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に過熱処理するお酒

3 樽酒 木製の樽で貯蔵し、木香のついたお酒

 

吟醸酒、純米酒、本醸造酒を特定名称の清酒といい、原料、製造方法等の違いによって8種類に分類されます。そえぞれ所定の要件に該当するものにその名称を表示することができます。

特定名称 使用原料 精米歩合 香味などの要件
吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 吟醸造り
醸造アルコール 固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 吟醸造り
醸造アルコール 固有の香味、色沢が特に良好
純米酒 米、米こうじ 70%以下 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 吟醸造り
固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 吟醸造り
固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒 米、米こうじ 60%以下または特別な製造方法 香味、色沢が特に良好
本醸造酒 米、米こうじ 70%以下 香味、色沢が良好
醸造アルコール
特別本醸造酒 米、米こうじ 60%以下または特別な製造方法 香味、色沢が特に良好
醸造アルコール